9月26日(土)、仙台市福祉プラザふれあいホールにおいて、仙台音訳の会設立30周年記念式典が行なわれました。コロナ禍のため、規模を縮小し参加者を絞った中での開催でしたが、会の30年の軌跡が分かりやすく織り込まれており、趣の違う2題の朗読もあって、プログラム構成の光った式典でした。
本日は、仙台音訳の会設立30周年記念式典開催にあたりまして、仙台市視覚障害者福祉協会会長橋秀信様、役員の皆様、そして当会勉強会講師をされております柴山光由先生にご出席を賜り厚く御礼申し上げます。更にコロナ禍のもと、記念式典の開催に関し、皆様にご理解とご協力をいただきましたことに感謝いたします。
さて、仙台音訳の会の発足は、平成元年に仙台市が政令指定都市になったことを機に、仙台市身体障害者福祉協会(現在 仙台市障害者福祉協会)により朗読奉仕員養成講座が開催されたことが契機となります。講座を受講し修了した第1期生8名が、平成2年1月に「仙台朗読奉仕の会」を設立し、視障協会員の方々への情報提供を目的に活動を開始しました。
会立ち上げの時から、当時の仙台市視覚障害者福祉協会会長千葉文児様、強子様ご夫妻に活動場所の提供や録音技術の指導など、多くのご助言をいただきました。同時に、当時の宮城朗読奉仕会様には研修会の講師をお願いし「朗読・録音の基礎知識」の御教授を受け、お力添えをいただきました。このように様々なサポートを受け、会員相互が勉強会を重ねながら、録音図書の製作、対面朗読活動を開始することが出来ました。
そして、平成3年12月に「テープ仙台情報あ・ら・かると」第1号発行に至りました。当時の録音はラジカセを使用し、その後テープデッキに変わり、録音機器のデジタル化に伴いDR-1の導入、現在はパソコン録音が全国的に主流となり、当会もそちらへ移行できるよう研修を重ねています。30年の間に録音機器の変遷はありましたが、人の声による音訳の良さをお届けすることは変わらず続けております。
平成6年に活動拠点が仙台市福祉プラザになり、活動場所が安定し、録音環境も整ったことにより活動の幅が広がりました。それと同時に、視障協の皆さんと交流を深めることを目的に交流会が実施されました。公共交通機関のバスや列車を利用して県内各地を訪ね、その土地の食を楽しみました。交流会での視障協の皆さんとの会話が音訳者の励みになり、会の恒例行事になりました。
また、平成17年に会設立15周年を記念し「朗読会」を開催。朗読会には視障協の皆さんにもご出演いただき、さらに交流を深めることができました。
併せて、私たちは、研修会や自主勉強会を通して音訳力向上に努めています。図書館研修会の講師をされていたご縁で、平成17年から柴山光由先生に毎月一回朗読の勉強会を開いていただいております。柴山先生にはこれまで15年間、当会の為にボランティアで勉強会を継続してくださっていることに心より感謝申し上げます。
現在、1期生から23期生まで83名の会員が在籍しています。当会は、会員同士のつながりを大事にしており、仙台情報あ・ら・かるとやあ・ら・かるとジャンル別版の活動では、先輩から後輩へ音訳技術や機器の操作の指導や助言などを行っています。それによって「音訳」に関する知識や技術を高め、より分かりやすく情報をお届けできるよう、一人一人が目的を持って活動しております。
その「音訳」が主な活動であるため、昨年5月1日に活動実態に合わせ、名称を「仙台朗読奉仕の会」から「仙台音訳の会」に変更いたしました。今後は、設立からの活動目的を継続し、情報発信スキルをより高めながら、充実した活動にしていきたいと考えています。
最後になりましたが、これからも視障協の皆様と共に歩む会として、各行事のお手伝いや参加要請に協力し、より良い情報をお届けするため、私たちができることを再確認し、活動を進めて参ります。引き続き、皆様にはご支援・ご指導のほどよろしくお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。